40代薬剤師の学びなおしブログ

医療を幅広く学びなおしてみた

2023-01-01から1年間の記事一覧

医療4.0 これからのヘルステック戦略 その8

今まで最近の医療情勢やテクノロジー、製品の開発法、マーケティングについて見てきましたが今回は最終章どう考え行動すべきかというマインドについて 内容 「医療・ヘルスケア領域においてはノウハウではなく各分野の専門家に知見を聞けるノウフー〔Know Wh…

医療4.0 これからのヘルステック戦略 その7

第5章どのようにサービス製品を生み出すか。具体的なマーケット戦略についての記述の章です。 内容 「製品・サービスを開発するときに最重要なのは求められるものを作るニーズドリブンである。開発は4段階で①課題発見 ②解決策の検討 ③MVPと検証 ④社会実装 ①…

医療4.0 これからのヘルステック戦略 その6

この本で現実的な医療のデジタル化の現状と展望について見てきましたが次の4章はかなり飛躍する面白い内容となっています。それでは 内容 「日本の医療は産業のひとつと考えると現在は成熟期を超えて衰退期に入っていると考える。また環境としても少子高齢…

医療4.0 これからのヘルステック戦略 その5

前回まで押し寄せるデジタル化により薬局、薬剤師の存在意義について考えてしまいましたが今回第3章の終わり、薬局のDX化について 内容 「病院以外にも薬局でDX化が進んでいる。患者や生活者、薬剤師に対して新しい価値を創造する薬局DX。薬局は株式会社化が…

医療4.0 これからのヘルステック戦略 その4

第3章医療とテクノロジーの現状と展望続き 内容 「ウェアラブルデバイスの多様化 Apple Watch:心電図アプリがプログラム医療機器として承認 フリースタイルリブレ:グルコース濃度を連続的に採血なしで測定可能。 遠隔医療の未来 遠隔手術:5Gの高速通信と…

医療4.0 これからのヘルステック戦略 その3

前回に続いて第3章医療デジタル化の現状と展望について 内容 「DXの実行までの3つのプロセス ①デジタイゼーション: 部分のデジタル化 アナログで運用されていたものを一部デジタルに置き換えるもので、対面診療をオンラインに置き換えたり紙の処方箋をスキ…

医療4.0 これからのヘルステック戦略 その2

引き続きデジタル化が医療に与える影響について 内容 「第2章 医療の革命第4弾=医療4.0は3つのキーワードがある。それは ①多角化 ②個別化 ③主体化である ①多角化:病院以外に在宅やオンラインで診療が可能になる。 アップルウォッチやオンラインシステムの…

医療4.0 これからのヘルステック戦略 その1

今回は少し方向性を変えて医療のデジタル化に関する書籍を読んで行きたいともいます。その書籍とは 「医療4.0」加藤浩晃氏著 日経BP 病院だけでなく薬局でも急速に普及させようとしているデジタル化ですが、なぜ必要なのか、今後どうなっていくかを言及して…

「エビデンス」の落とし穴 その5

今までエビデンスの信頼性や怪しい情報の見分け方、よくあるエビデンスの判定など見てきましたが、それでは実際に役立つ健康情報の見つけ方は?ということで最終章を見ていきましょう。 内容 「現代では目新しい情報が毎日のように出てすぐに飛びついてしま…

「エビデンス」の落とし穴 その4

前回までエビデンスの質や実際に巷に出ているエビデンスの検証を見てきましたが今回はこんな謳い文句に気をつけろという警鐘の章です。 内容 「知識で人の考えは変えられない 事実やデータは人の意見を変えるのには十分ではない。正確な情報は人間の論理的な…

「エビデンス」の落とし穴 その3

今回は私が最も気になっている第3章エビデンスが分かれる健康情報本当はどうなの?ということで早速見ていきましょう。 内容 「糖質制限は健康にいいのか?→現時点での結論 短期的には多くのエビデンスがあるがだから正しいとは言えない。バランスよく適度に…

「エビデンス」の落とし穴 その2

エビデンスについてさらに深く掘り下げていきましょう 内容 「エビデンス重視の医療になったのは最近の話で1990年代くらいからである。現在の医療ではその医師の経験やさじ加減で治療するのではなくガイドラインに基づく。ガイドラインは信頼できるエビデン…

「エビデンス」の落とし穴 その1

世に溢れている健康情報には実に胡散臭いものも多く、専門家が紹介している健康法なども糖質制限がいいとか糖質もバランスよく取らないとダメだとか相反する主張が多く、エビデンスがしっかりしているのだろうか感じることが多くどれを信じたらいいのか、と…

免疫力をアップする化学 その7

今回は最終章の自然免疫を高めるものについて紹介です。 内容 「パン酵母から取り出したグルコポリサッカロイド(GPS)は米国の臨床試験ですぐれた免疫活性作用が認められがん抑制効果が見られた。植物由来のフィトケミカルは強力な抗酸化作用があり、ポリフ…

免疫力をアップする科学 その6

前回までは主にがんについての記載でしたが第6章はアレルギーについてです。現代日本の清潔社会の問題点についてなど。それでは見ていきましょう 内容 「日本では1970年代以降急激にアレルギーの数が増えていき、都市部では90%以上の人がアレルギー体…

免疫力をアップする科学 その5

前回はNK細胞ががん予防に重要なのを見てきましたが、第5章はNKの他にも重要な因子や食品について、実用的なことが述べられています。 内容 「腫瘍壊死因子TNFはがん細胞を殺す作用を持っておりキャベツやナス、大根、バナナやスイカに多く含まれる。緑茶の…

免疫力をアップする科学 その4

前回まで腸内細菌の役割について見てきましたが今回の4章はナチュラルキラー細胞<NK細胞>についてその役割や高め方が書かれています。ホルモンとNK細胞の活性化機序やストレスによるNK細胞の活性低下などありますが特に気になった心の持ち方が免疫を変える…

免疫力をアップする科学 その3

免疫の本、前回腸内細菌の重要性について見てきましたが今回は脳と腸の相関について見ていきたいと思います。 内容 「第3章 腸内細菌が脳の発達を促したり、幸せホルモンのドパミンやセロトニンを脳に送る役割がある。その結果浮気を防ぐなどの効果が報告さ…

免疫力をアップする科学 その2

前回は免疫の働きについて見ましたが今回は2章、免疫のカギを握る腸内細菌ということでざっくりと記すと腸内細菌のそれぞれの役割や腸内細菌を増やす方法、生活習慣について書かれていますが特に印象的だった内容について 内容 「本来腸内細菌は非自己のた…

免疫力をアップする科学 その1

これまではがん治療に対する書籍を見てきましたが、その中でとりわけ注目されているのが免疫力。私も学生の頃免疫学を学んだことがありますが言葉や考えがとにかく複雑でとても苦手意識があったことを覚えています。 今回読んだ 「免疫力をアップする科学」…

がん治療革命の衝撃 その7

内容 「バスケット試験: 従来の治験は対象を臓器ごとにしていたがバスケット試験は特定の遺伝子変異に注目して行う。これによりがんの発症部位に関わらずがん治療の新薬を使うことが可能になる。 ワトソンゲノミクス:IBMが開発した人工知能を使った遺伝子…

がん治療革命の衝撃 その6

前回はスクラムジャパンによるプレシジョンメディシンの取り組みを見ましたがそのほかの医療機関でも取り組まれておりそれについて 内容 「スクラムジャパン以外にもプレシジョンメディシンに取り組んでいる医療機関の1つに北大病院がある。がん遺伝子診断外…

がん治療革命の衝撃 その5

前回は分子標的薬と遺伝子検査でがん治療が変わることを見ましたが金持ちしか受けられないのかという疑問で見ていきましょう 内容 「標準治療以外に保険適応外使用を受ける場合には自費か臨床試験に参加するという経路がある。国立がんセンター東病院を中心…

がん治療革命の衝撃 その4

前回は免疫チェックポイント阻害剤について見ましたがそれがどういったことにつながるのかについて 内容 「分子標的薬と免疫チェックポイント阻害剤の2つの登場によりがん治療の考え方が根本から変わろうとしている。それは従来はがん治療は臓器別に行なって…

がん治療革命の衝撃 その3

今回は少し前に話題になったオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤について 内容 「通常ヒトの体はウィルスなどの異物が入ると免疫細胞が攻撃してくれ、がん細胞に関しても同じことが言える。免疫細胞は過剰な攻撃をしないためにブレーキボタンが存在…

がん治療革命の衝撃 その2

この本のサブタイトルであるプレシジョンメディシンについて 内容 「プレシジョンメディシンとは精密医療または最適医療と訳される。ごく簡単にいうとそれぞれの患者に合った最適な治療を行う医療ということになる。現在、プレシジョンメディシンが最も進ん…

がん治療革命の衝撃 その1

今度の書籍は 「がん治療革命の衝撃」NHKスペシャル取材班 2017年出版 です。前回の近藤誠先生の著書ではがんは放置するのが一番との結論でしたが今回はがん治療の最前線について見たいと思います。2017年の本なので今はまた事情も変わっているかも知れませ…

医者に殺されない47の心得 その7

医者に殺されない47の心得について見てきましたが今回は最終回、大病院について 内容 「~大病院にとってあなたは患者ではなく被験者~ 患者の数が多いほど一人一人の患者に対しての扱いはぞんざいになるし流れ作業になる、大きい病院ほど実験的なことに力…

医者に殺されない47の心得 その6

前回までがんについての記載を見ましたが今回は高血圧について 内容 「~高血圧に塩はダメはウソ。自然塩より精製塩の方が安心~ 今となっては塩分は高血圧の原因とされているのが常識だが世界のデータを見ると塩が足りていない人のほうが病気になりやすく短…

医者に殺されない47の心得 その5

前回はがんの治療法について見ましたが今回は予防法のウソについて。これもまた衝撃的です。 内容 「~免疫力ではがんを防げない~ 欧米ではがんに対して免疫力を強化しても無意味というのは常識であり免疫の名の付く療法を行う医師は詐欺師扱いされる。なぜ…