40代薬剤師の学びなおしブログ

医療を幅広く学びなおしてみた

がん治療革命の衝撃 その7

内容
「バスケット試験: 従来の治験は対象を臓器ごとにしていたがバスケット試験は特定の遺伝子変異に注目して行う。これによりがんの発症部位に関わらずがん治療の新薬を使うことが可能になる。
 ワトソンゲノミクス:IBMが開発した人工知能を使った遺伝子解析で数千万の論文を学習し、あるがん患者のケースについてそのデータから調べ上げデータを総合した上で情報を簡素化し、最適な治療を医師に指示する。わずか2−3分でこれができる。
がんゲノム情報レポジトリー:がん医療中核拠点病院から詳細なデータが送られて蓄積されたデータベース。遺伝子情報だけでなく薬の効果や身体状況などのデータで人工知能も使って革新的な診断法や治療法に結びつけることが期待される。」
 
考察
バスケット試験について、臓器ではなく特定の遺伝子変異に対しての治験ということで最近発売されている分子標的薬がまさにこの治験の成果なんだなと実感できました。もうすでに革命は起こっていたと。普段あまり抗がん剤に馴染みのない薬局ですがこれから勉強するのにこういった情報があると楽しいかも知れませんね。そしてワトソンゲノミクス、数千万の論文って。。これはもう人にできることではないのでゲノムとビッグデータの組み合わせは最強だと思います。この本はこれで最終回ですがこれほどまでに技術の進歩は目覚ましいと感じる一方で人の果たす役割は技術的なところは減っていき、メンタル的なサポートに行くような気がしてなりません。コミュニケーション能力の向上、大事ですね。あと1つ思ったのがこの本は良いことばかり書いてありますが、デメリットについてあまりないような、まあなんでも信じ過ぎず情報の1つとして捉えておくくらいがちょうど良いんでしょうか。