40代薬剤師の学びなおしブログ

医療を幅広く学びなおしてみた

「知ってはいけない薬のカラクリ」その1

「知ってはいけない薬のカラクリ」谷本哲也氏著

前回医師は製薬会社から研究や講演の謝礼を受けているとの話でしたが今回はその影響について。

気になったあらすじ

「薬は同じ効能や薬理作用のものでもいくつかのメーカーから同じような薬が発売されている。例えば血圧の薬、ARBといわれる薬は5社から発売されておりその決め手は何だろうか? 海外の論文で食事接待によって処方が決まるという衝撃の結果が出ている」

私見

私も以前、製薬会社に勤めておりそうだろうなと予想はしていましたが論文として海外の有名な医学雑誌に載るくらいなのでこれは感覚的なものではないとはっきりしました。

実際私が製薬会社の営業をしているときにも接待を行っており(今では禁止になっています)それによって処方が増えたという経験もしています。ただし、製薬会社から見た側面ではこれも営業努力であり自分の会社の薬が一番優れていると強く信じている部分もあります。それと同時にこの行為は患者のためになっているだろうかという葛藤もありました。

しかし実際問題、製薬会社間の競争の過熱や好ましくない患者の不利益が起こり現在は業界のルールにより禁止となっています。ただし今も高級弁当付きの説明会や論文執筆の謝礼、講演後の慰労会という別名目で縮小しながらも続いており、かなり根の深い問題ではあるのかなと思います。まあ完全に0になるのも悲しいかな・・・